最終更新日時:2020年4月18日
画像: インプレス
今この記事をご覧になっているあなたは、
「VDSLが遅い!通信速度をなんとかしたい!泣」
「光配線方式に変更したいけど、いったいどうすればいい??」
といったことでいろいろお調べのことかと思います。
結論から先に言うと、VDSL配線方式は残念ながら利用者都合で変えることはできません(別事業者への乗り換えを除く)。
「遅いVDSL配線方式を変えたい」「高速な光回線(光ファイバー)を自宅に引き込みたい」という相談をよく寄せられるのですが、そういった方にはNTT東西以外の光回線事業者と契約することを僕は推奨しています(例:NURO光、auひかり、eoひかり など)。
なぜならば、
「VDSL配線方式と光配線方式のどちらを採用するかはNTT東西側で既に建造物(マンション)ごとに規定されている上に、利用者都合で変えることが許可されていないから」
です(詳細は後述)。
ということで今回の記事では「ふだんあまり語られることがないVDSLの裏話」をいろいろ書いてみました。もし光配線への変更をお急ぎの場合は、NTTのフレッツ回線ではなくNURO 光 (光配線率100%)にするのがおすすめです。
↓NURO光(光配線100%&国内初2Gpbsでかなり速いです)
目次
そもそも「VDSL配線方式」とは?
そもそも「VDSL」とはなにか?をおさらいしておきましょう。
VDSLとは、インターネット光回線の宅内配線方式の一種です。
宅内配線方式とは「光回線の波形信号をどのようにパソコンへ送り届けるか」を定めるものですが、大きく分けて以下の3種類が存在します。
- 光配線方式(光ファイバー)
- VDSL配線方式(光ファイバー+電話線)
- LAN配線方式(光ファイバー+ツイストペアケーブル)
→激レア。該当者が少ないので気にしなくてOKです。
自宅で「VDSL配線方式」を使っているか見分けるには、「光コンセントの有無」をチェック!
自宅の宅内配線方式がどれに該当するか調べたい場合は、光コンセントの有無をチェックします。
- 光コンセントがある・・・光配線方式
- 光コンセントが無い・・・VDSL配線方式(※まれにLAN配線方式)
光コンセントとは、以下の画像のようなものです。
【画像】光コンセント|NTT東日本
レア種の「LAN配線方式」は比較的新しめのマンションにしか導入されていないので、光コンセントがない場合は99%の確率でVDSL配線方式だと思って大丈夫です。
ちなみに以下の「VH-100」という機器(VDSLモデム)が自宅にある場合は100%VDSL配線方式であると言いきることができます。
VDSL配線方式は「1番遅い」タイプの配線方式
VDSL配線方式は3種類ある配線方式の中でも1番遅いタイプの配線方式です。
最も速い光配線だと最大1Gbpsの通信性能が出せますが、VDSL配線方式だとたった10分の1(最大100Mbps)程度の通信性能しか出せません。
なぜこんなに速度の違いがあるのでしょうか?それは、
「VDSL配線方式では光ファイバーケーブルを自宅室内にまで引き込んでおらず、電話回線の素材を通信経路に使いまわしているから」
が理由となります。
VDSL配線方式が遅い理由は、通信の伝送路に「電話回線」が混在しているため
最も速い光配線では、先述の光コンセントと呼ばれる機器で光ファイバーケーブルとパソコンとを直接つなげることをしています。
光ファイバーケーブルは現在のネットワーク技術では最高峰の通信性能を持つ素材ですが、光配線方式が速いのはその高速通信の素材を家庭内の壁ギリギリまで引き込んでいるからです。
対してのVDSL配線方式では、光ファイバーケーブルを"MDF室"と呼ばれる建物の共用部にまでしか引き込みません。
そこから先、各家庭への引き込みはどうしているのかというと、既設の電話回線を利用して電気信号をパソコンまで届けることをしています。
つまり、VDSL配線方式では伝送路の一部が遅い電話回線の素材に置き換えられてしまっているため、光ファイバーを伝送路全体にまるごと使用する光配線方式と比べて圧倒的に遅くなってしまうのです。
「VDSL配線方式」から「光配線方式」への変更方法
ここまで聞くと「VDSL配線方式から光配線方式への変更をしたい!」と思うのが普通だと思います。
理論上VDSLから光配線へと変更することで通信速度は理論上100Mbpsから1Gbps(=10倍)までグンと向上させることができます。
しかし残念ながら、マンションの入居者都合でVDSL配線方式から光配線方式に変更することはできないようになっています。
この理由は単にマンションのオーナー(大家さん)が
- 壁に穴をあけるのが嫌だ
- 設備改修に伴う工事費や事務処理の負担が嫌だ
ということもあるのだけど、実はNTT側の対応に問題があることも多かったりします。
というのも、VDSLは既設の電話回線を光ファイバーの代わりに利用するためNTT側が開通コストを抑えられるいうメリットがあり、光配線での導入を避けたがるためです。
これはもちろんネット利用者側にとっても月額料金面で安くしてもらえるメリットがあるため一概には悪いものとは言うべきではありませんが、VDSL配線から光配線への変更工事は原則としてNTT側に断られます。
【方法1】マンションのオーナー、管理組合、NTTすべてと交渉する
VDSL配線方式から光配線方式に変更するにはどんな方法があるのか?
やはりいちばんの正攻法は、配線方式を変更してもらえるようマンションのオーナーや管理組合に根回した上で、NTTに対して直談判(交渉)をすることでしょう。
ただしこの正攻法は調整すべき利害関係者が非常に多いため、めちゃくちゃ難易度は高いといえます。
もしこれに根気よくチャレンジするなら、マンションのオーナーや管理組合に対しては「VDSL配線から光配線に変更することで物件価値が高まる」などを訴求して説得していくのが王道でしょう。ネットは速ければ速いほど誰だって嬉しいものです。
対してNTT側へは「マンションのオーナーや管理組合は既に説得済みであり、加入者見込みも多く存在する」などを訴求していくといいでしょう。
せっかく配線の変更工事をしても加入者が他にいなくて工事費の採算が取れないことはNTTにとっては最も避けたい事態だからです。
説得はかなり骨が折れるでしょうから、やはり以下の「方法2」がおすすめです。
【方法2】NTTとは異なる回線事業者と契約する
VDSL配線から光配線に変更する別のやり方として、フレッツとは異なる回線事業者と契約するという方法があります。
こちらの方法は先ほどの「方法1」よりずっと難易度が低く簡単です。
実は日本国内で光ファイバーケーブルの回線設備(ファシリティ)を提供する事業者はNTT東日本やNTT西日本だけはなく、他にも様々な光回線事業者が存在します。
具体的な企業としては以下の通りです。
- NTTの未使用回線であるダークファイバーを利用するNURO光(ソネット)【おすすめ】
- 旧TEPCOひかり(東京電力)からの系譜であるauひかり(KDDI)
- 関西電力の自社回線設備を利用するeo光(ケイ・オプティコム)
など
これらはNTTのフレッツ回線とは異なる設備系統の光回線サービスを利用しているため、お住いのエリアさえ対応していれば高い確率で光配線での導入をしてもらえます。
自宅のエリアが開通工事に対応しているかは以下のサイトでそれぞれ診断できます(診断・申し込み無料)。
【光配線率100%】VDSL配線方式からの移行は「NURO光」がおすすめ
もし上記回線事業者のいずれかとの契約を検討する場合、通信系の人間である僕としてはNURO 光 を一番おすすめしたいです。
この理由としては、NURO光は以下の2つの特徴を持った通信事業者だからです。
- 最大2Gbpsの高速通信技術を国内初採用
- 開通工事において光配線方式100%採用
ちなみに我が家でも現在NURO光を使っています。
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【NURO光】速いと評判の通信速度はどのくらい?実測値を計測&グラフ化してみた
国内初の2Gbps回線「NURO光」の通信速度の実測値(平均)をグラフ化しました。
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【NURO光】900Mbps超え!回線・ネットワーク設定をカスタマイズして世界最速チューニング
NURO光を契約し世界最速を目指して速度をチューニングしました。
VDSLのまとめ
- VDSLはなぜ遅い?
VDSLが遅いのは、「個人宅の室内まで光ファイバー素材を引き込めていないから」が理由となります。電話用のメタル回線を通信素材として使い回すため、その性質上どうしても低速になってしまうのが特徴です。 - VDSLから光配線への変更はできる?
もしVDSLから光配線に変更したい場合は「引っ越し」または「フレッツ回線からの乗り換え」が基本となります。なぜならNTT側の工事コストの都合によりVDSLから光配線への変更工事は原則として受け入れられないからです。 - VDSL(フレッツ回線)から乗り換えるならどこの事業者がおすすめ?
もし遅いVDSLから光配線への乗り換えを本気で検討するなら、光配線率100%のNURO 光 (2Gbps)がおすすめです。我が家でも現在使用中です。